小さなことを少しずつ

久しぶりの更新。
今年の抱負は「小さなことを少しずつ」とおととい図書館までの道を歩きながら思った。
私はいつも「大きなことを一気に」やってしまおうとする癖がある。
だからたいていの場合、気が重くなったり、面倒くさくなったりして、始まってもいないうちから投げ出してしまったりする。
なんでこんなことを考えたかというと、学校が終わる1月末ごろ、レポートが書けなくてとてもどんよりとした日々を送っていたからだ。でもそれは実は目の前のレポートじゃなくて、1年後の修論のことを考えすぎて、苦しくなっていたからだった。
結局レポートを書き始めたらうそみたいに気持ちも軽くなった。
春休みに突入して、東京でのんびりするうちに、少し前の自分もよく見えてきて、そう、いつも私は大きなものばかりを気にして、小さなこと、小さな一歩の価値がわからなくなってしまう。
だから今年は、小さなことを少しずつ。心がそうあれるようにしたいなと思った。
そして小さなことでも少しずつ、言葉にしていこうと思った。

こうやって言葉にすることで、それをなんども繰り返すことで、語りぐさにすることで、その一冬の体験は彼だけでなく聞いているみんなのものになる。一人の体験は言葉によってみんなの共有の資産になる。こうやって話を聞くのも、インターネットで情報を検索するのも、原理的には同じなのだ。人間はこうして知識を普遍化してきたのだ。

久々に池澤夏樹の小説を読んだ。彼の作品を読むといつもそうなるのだけれど、丁寧に書かれた文章を丁寧にたどると、いつのまにか呼吸がすっと整っている。

すばらしい新世界 (中公文庫)

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